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縦書き表記について

西山正義


 当サイト 「西向の山」ならびに〈短説の会〉公式サイトでは、せめて作品だけは縦書き表記にこだわりました。
 結論から言うと、疑似縦書きなのですが、見掛け上縦書きに見えるようなフォルムにしたHTMLページでアップロードされています。

 通常、コンピュータ上での文字の表記は、左から右への横書きです。これは、コンピュータ自体の仕様が左上を0軸にしているからで、そもそもプログラム言語は英語(アルファベット)を基本としたもので、端から縦書きなど想定されていません。
 もちろん日本語圏を中心に、アプリケーション・ソフトによっては縦書きに対応しているものもありますが、ウェブページを閲覧するためのブラウザは、現在さまざまなものが出回っているとはいえ、やはり基本仕様は横書きです。
 それに逆らって、縦書きにこだわると、いろいろ厄介なことに突き当ります。

当サイトの「短説の部屋」の作品一覧で、作品名が二つあるものは、上段は「京屋(別窓表示)」氏の『テキスト・縦書きHTMLコンバーター Ver1.51→1.61』で変換したもので、下段の括弧でくくられた方は、『Internet Explorer 5.5』以降の新機能により表示可能となった縦書き指定のHTMLを採用したものです。
 後者は、Internet Explorer以外(および5.5以下のヴァージョン)のブラウザでは横書きになりますが、文章自体は正常に表示可能。

水南森さんがホームページ「水南の森」で最初に短説を公開した際、短説の大きな利点として、一つの作品が一画面(つまり画面をスクロールすることなく)読み切れるということがありました。
 縦書きでも不可能ではないかもしれませんが、20字×20行×2枚を縦書き二段組みにした短説の基本書式を崩さず見せるには、いろいろ難しい問題があります。従って、短説の会本部の「旧・公式サイト」も、やむなく横書きの左右二列組みを踏襲していました。

その後公式サイトも、平成15年5月18日に開かれた短説の会同人会議において、私、西山正義が本部の「〈短説の会〉公式サイト」の編集長に就任し、同年6月14日、URL移転の上、全面的にリニューアルしましたので、この「西向の山」同様、上記変換ソフトを使用した縦書きを採用しています。その他にもより良い方法があれば、いろいろ模索する予定です。

 もともと短説は、1980年代なかばのワープロの普及とともに始まったもので、やがて迎えるはずのハイテク(という言葉も古くなりましたが、今風にいえばIT)時代を見据えて発想されていました。インターネット(当時はまだワープロ/パソコン通信)にも適したものであるという認識が最初からありましたので、ホームページという媒体は、まさに短説向きといえます。

 ですが、今回、「西向の山」および短説の公式サイトでは、上記の利点(画面をスクロールすることなく一作品を読み切れる)をあえて犠牲にしました。(もっとも、一昔前では考えられなかったようなスペックのパソコンが普及し、解像度を高くし、大画面のモニタで閲覧すれば、このままの仕様でも一画面に表示可能なのですが……)。

 なぜ、縦書きにこだわるのか。
 日本語の文化という点から説明することもできますが、ここでは問題にしないことにします。
(2002年4月5日)


 さて、その縦書き表記についての注意事項ですが、一部、括弧記号等が文字化けしています。
 特殊な記号ではないのに、どうなってるんだと最初はわけが分かりませんてしたが、どうやら、私が使わせていただいている「京屋(別窓表示)」氏のフリーソフト『テキスト・縦書きHTMLコンバーター Ver1.51』に原因があるようです。
 因みに、他の縦書き変換ソフトでもやはり同じような現象が見られるので、現時点ではこれがWEBページ上での縦書き表示の限界なのかもしれません。

 もともと縦書きだったもの(OASYS2文書)を、MS-DOSテキスト形式に変換する際、横書きになってしまいます。それをさらに、上記コンバーターで縦書きに変換しているのですが、改めて「ホームページ・ビルダー」上で修正しようとしても、縦書きであるためか、うまくいきませんでした。たいへん見苦しいのですが、化けたままになっています。
 実はこれは正確に言うと、いわゆる文字化けしているのではなく、縦書きといってもその実態は横書きであるので、一部の記号には代替えの記号が割り当てられているからなのですが……。

 一例をあげると、
( )が┌┐└┘に、『 』が ┓┗ に、〔 〕や《 》が┏┓┗┛に、
〈 〉が、∧ ∨に、ー(音引き)が|に。
 さらに、(。)や(、)の句読点も不自然な付き方をしています。

 また、申し訳ありませんが、印刷すると一部が欠けてしまうという不具合があります。
 短説ではそういうことがない(といっても、もし三枚目があったとしたらやはり一部欠けてしまう)ので、字詰を変えるか、行間・文字間の設定を調整すればいいのでしょうが、いちいちおおもとから変えていかなくてはなりません。ですので、次回アップ時の宿題とさせていただきます。
(2002年4月6日)

2002年10月26日、小説の書式を26字×23行詰(初出時のレイアウト)から20字×20行詰に変更しました。これでも印刷には具合が悪いでしょうが、わざわざ印刷してまで読もうという奇特な方はそうはいないでしょうから、これで良しとしておきます。
 なお、Netscape Navigatorでは、Internet Explorerに較べて、文字間隔が広く見え、従来の字詰では1ページが1画面で納まっていませんでしたが、これでそれも解消されたはずです。もちろんこれには、パソコン本体の画面サイズや解像度その他にも左右されることですが。

さらに、それまで1作品1ページだったのを、1ページあたりの容量を軽くするためと、分割して読む場合の利便性を考慮して、原稿用紙10枚前後で区切って、ページを分割しました。
(「夢の吊り橋」−2003.2.1変更。「鳥籠」「箱庭」「観覧車」−2003.3.7変更)
※それから12年、2015年11月1日、ページ分割を廃止し、1作品1ページに再変更しました。

2003年4月15日、上記の欠陥を解消すべき、Microsoft Internet Explorer 5.5以降の新機能による「縦書きレイアウト」を「金糸銀糸」に採用しました。以後、「コクトーの耳」「サーカス」にも順次適用。
 縦書き表示の方法はいろいろ試みられていますが、それぞれに欠点があります。この方法も、スクロールマウスに対応しておらず、横スクロールの移動にストレスが生じます。但し、容量は通常の横書きと同じで、変換ソフトを使った縦書きの約半分なので、利点もありますが、これの最大の欠点は、IEの5.5以降でないと動作しない点にあります。
 しかし、それ以前のヴァージョンやNetscape、Operaなどほかのブラウザでも、横書きになってしまいますが、正常に表示されます。縦書きに疑似変換する各種変換ソフトとは異なり、ソース自体は横書きですから、読み上げソフトやテキスト・ブラウザにも対応。閲覧者側でフォント・サイズの設定もできます。

2004年6月12日、縦書きソフトで変換した縦書きも、フォント・サイズを絶対数値から相対数値に変更し、ブラウザの設定によって可変可能にしました。


それから月日は経ち、平成23年になって、自サイト内にではなく、小説などのテキスト作品を投稿(アップロード)して、縦書きで表示できるというサイトを発見しました。「縦書き文庫(別窓表示)」と「小説家になろう(別窓表示)」です。
 それぞれに特徴がありますが、自サイトのサーバー容量に関係なく(そもそもサイトやブログ等を持っていなくても投稿でき)、小説等の作品を保存・公開できるというのが最大の売りです。これはものすごく画期的で、利用しない手はありません。
 しかしこれにも欠点はあります。そもそもそれを運営している会社(個人)がそのサービスを止めてしまえば、すべては水泡に帰すからです。これは致命的ともいえる欠点です。が、考えてみれば、インターネットの世界全体がそういう性質のものともいえ、それはあまり考えても詮のないことです。
 やはり、あくまでも思い通りの形に、しかも閲覧者側の環境に関わらず不変にアップしたいなら、PDFファイルしかないのでしょう。

それで、まだ実験的にですが、前者には「西山正義の短説」を、後者には「西山正義の小説」と「向山葉子の小説」をアップしています。「短説の部屋」「小説の部屋」の目次からも作品に直接リンクしていますので、どうぞご笑覧ください。


〔記事更新〕平成14.4.5-6/15.4.19/15.6.14/16.6.12/23.9.14/27.11.1


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