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短説とは何か/その定義と〈短説の会〉のご案内


未知の読者のために、短説の定義を。

 短説は、1960年代から詩人・作家として活躍していた芦原修二氏の提唱により、昭和60年(1985)に生まれた新しい文学運動です。
 その定義は、400字詰原稿用紙で2枚の散文作品−ということに尽きます。

 詳しくは、芦原修二氏の「短説への招待」を参照していただきたいのですが、そこにはこう書かれています。
「この2枚の中には、題名と作者名を書くスペース4行分も含まれていますから、実質上の本文の長さは、20字詰で36行になります。この範囲で小説を書こうというのです」
 具体的には、
 1行目に題名、
 2行目は空欄、
 (1行では収まらないタイトルや副題がある場合は2行に渡っても可)
 3行目に作者名、
 4行目は空欄にし、
 5行目から本文を書き始める、ということになります。 

 当「西向の山」にアップした作品を見ていただければ、原稿用紙のような枡目はついていませんが、その形が視覚的にもお分かりいただけるでしょう。
 特筆すべきことは、1文字でもオーバーしてはいけないということです。
 ただし、改行等の関係で、720文字フルに使わなければいけないということではありません。文字数というより、20字詰における行数が問題なのです。
 最終行まで書き込んで、過不足なく、そこでぴたっと終わっているのが望ましい形といえます。
 つまり、定型の散文なのです。

 小説は、特にその方法論において、20世紀に飛躍的に発展しました。それは、人間の認識方法と、人間とそれを取り巻く社会の理解を飛躍的に拡大したのでした。20世紀の芸術・文化は、小説がリードしたといえます。
 しかし、1950〜60年代のいわゆるヌーボー・ロマンや反小説などを一方の極として、一方では、かつては斬新だった描写方法(つまり新しい認識方法)も、やがては末端まで広がり、通俗化してゆき、80年代に入った頃には行き詰まりつつあると感じられてきました。
 それは、作家や作品そのものだけの問題ではありませんでしたが、短説は、そんな閉塞した文学を取り巻く状況に新たな地平を拓くべく、21世紀を見据え、かつ日本文学の伝統を踏まえたものとして発案されたわけです。

 なぜ、定型なのか。なぜ、2枚でなければいけないのか。
 また、2枚というその単位となる1枚が、20字×20行の書式でなければいけないのか。

 それにはまだまだ議論の余地があるかもしれませんが、少なくとも実作者の立場においては、多くの短説作家が、そこから抜き差しならぬ何物をかを得ているという事実があります。それは文学の営為そのものとしか言いようがないものです。

 昭和60年9月28日、東京神保町で第一回目の〈座会〉が開かれて以来、その運動は各地に広がり、平成6年度版の『現代用語の基礎知識』(自由国民社)以降、同書に「短説」という項目が立項されるまでになりました。

 平成14年現在、月1回定期的に開かれている座会が、東京、埼玉、茨城、大阪に各1つ、加えて郵便による通信座会とメーリングリストを利用したML座会の、計8つあります。
 また、機関誌である月刊『短説』は、平成14年4月号で通巻200号を数え、単行本として、『年鑑短説集』が6冊、同人の作品集『短説双書』が8冊、個人短説集が2冊刊行されています。
 さらに、連説、英文短説、仏文短説、短説劇、短説絵本、マンガ短説等、さまざまな実験が試みられています。

あなたも書いてみませんか!





原稿用紙二枚の世界=短説

現在、短説の会では事務多忙なため、個別の問い合わせにはお答えできません。参加されたいという方には、参考資料として小冊子『短説への招待』と月刊『短説』のバックナンバー1冊を配布しています。請求は下記の方法のみで受け付けています

誠に遺憾ながら、機関誌である月刊『短説』は、平成21年3月号(通巻281号)を最後に休刊となり、その他の出版物の発行も休止しております。また、各座会も解散したり休止状態だったり、自主運営に移り、会の活動が大幅に縮小されています。(平成24年5月末現在)


80円切手10枚を同封のうえ、本部までご請求ください。
【短説の会・本部】〒270-1112 千葉県我孫子市新木3059


1998年9月14日、インターネット上に短説をはじめて公開したのは水南森同人の「水南の森(新版)」でした。

そして2000年4月7日、短説を扱ったサイトとしては三番目に、短説の会・本部のホームページが開設されました。
 その後サーバーの都合でURL変更の上、2003年1月1日より、「the tansetsu 短説」として第2期ヴァージョンにて公開されていましたが、短説の提唱者・芦原修二氏の部屋に生まれ変わる予定です。

代わって2003年6月14日、西山正義が新たに編集長となり、URL移転の上旧本部サイトを大幅にリニューアルして「〈短説の会〉Official Web Site−WEB版『短説』」を立ち上げました(現在は下記URLに移転)。

さらに2005年1月9日、そのWEB版『短説』編集長による「短説[tansetsu]ブログ」が開始されました。

2009年11月9日、上記〈短説の会〉公式サイトを新たなサーバーに移設〈http://tansetsu.aikotoba.jp/〉しました。(旧URLが2010年10月31日をもってサーバー閉鎖のため)

短説関連のサイトへのリンクは「他家への門(短説の仲間)」をご参照ください。



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