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西向の山に棲む猫ども

ひかり (Part 8)

令和2年8月13日午後5時16分
“ひかり”ちゃんが息を引き取りました!

満19歳、人間でいえば92歳の長寿を全うしました。

ひかりちゃん遺影:令和2年4月17日撮影

♀(2001年夏誕生〜同年10月わが家に〜2020年8月13日永眠)

 令和2年8月13日(木)の早朝、4時20分ころ、ベッドの端でドタッという音がしま
した。いつものようにひかりが起こしに来たのです。しかし、ベッドに飛び乗れなか
ったのです。
 すぐに飛び起き、ひかりを抱きかかえて居間に連れて行きました。とうとうベッド
に飛び乗れなくなってしまったのです。後ろ足が完全に萎えています。
 それはもう92歳のおばあちゃんなのだから、仕方ありませんが……。

ひかり:R2.8.13_4:28   ひかり:R2.8.13_4:43
(4時28分) (4時43分)

頑張って起き上がりました。
そして水を飲みに行きました。
起き上がっている最後の写真です。

ひかり:R2.8.13_4:43   ひかり:R2.8.13_4:43
(4時43分)

 実は昨日から、ともに19歳同い年のフサちゃんが危篤になっていました。そして
この少し後に離れに様子を見に行ったときは、まだ息をしていました。しかしもう
瀕死の状態でした。そして、午前7時前後に亡くなりました。
 外猫のクロ、片目のジュンちゃんと同じく、妹が裏庭に埋葬しました。

ひかり:R2.8.13_5:14
(5時14分)

 この時は、ひかりもフサも息をしておりました。
 ひかりの目はまだ輝きを失っていません。
 早朝から起こされたので、二匹の猫の様子を見守りながら、
 (もう見守ることしかできません)
 午前9時にひかりの最新アルバムを緊急にアップしました。
 生きているうちに作っておきたかったのです。

 しかし、妹がフサちゃんを埋葬した正午を回るころには、それまで瞳だけはずっと
輝きを失わなかったひかりですが、おそらくもう目も見えていないのではないかとい
う状態に陥っていました。
 ところが、午後2時すぎ、突然むくっと起き上がると、トイレまで歩いて行ったの
です。
 しかし、トイレの縁のわずかの段差を登り切れず、私が抱き上げましたが、ほん
のちょっと間に合わず、おしっこが外に漏れてしまいました。でも、少しです。
 もう危篤といっていい状態なのに、トイレまで歩いて行ったのです!
 健気過ぎて、泣けてきます。

 しかし、立ち上がって歩いたのはそれが最後でした。
 その後はもう意識もなくなっていたのではないでしょうか。
 午後5時14分か15分ころ、寝返りを打とうとしていたので、頭を動かしてやると、
何か吐き出すように口を二三回開きました。
 それから一二分後、とうとう力尽き、静かに、本当に静かに、息を引き取りました。
病気一つしたことがなく、老衰です。天寿を全うしたといっていいでしょう。
 最期の最期に一声鳴いたのは、魂がわが家に抜け出たところだったのでしょうか。
私にはそう思えて仕方ありません。

僕の胸の上に乗って安心するひかり:R2.7.29

 もう一度、私の胸の上で寛ぐひかりちゃんの写真を掲載します。いや、寛いでいる
わけではなく、死期が近づいて、身体に変調をきたして不安だから、人に甘えている
のです。
 朝などは、私の顔の上に前足を乗っけて、顔から頭にかけてのしかかってきます。
もうそういう日は二度と戻らないのですね。

 生きている最期の写真と、死後冷たくなって安置されている写真もあるのですが、
それはもう掲載しません。家族に知らせたのは午後8時すぎです。
 嫁いだ娘が駆けつけてきました。息子は京都です。
 令和2年の8月13日は、期せずして、二匹の猫のお通夜になりました。

ひかりを埋葬(令和2年8月14日午前10時すぎ) ひかりを埋葬(令和2年8月14日夕方)花とほおずきを供えて

 14年前(2006年)の“つばさ”ちゃんや21年前(1999年)の“アンジー”ちゃん
などは、深大寺動物霊園で火葬してもらい、人間と同じように骨を拾いましたが、
“ひかり”ちゃんは“フサ”ちゃんと同じくわが家の庭に埋葬しました。
 ただし、ひかりはうちの居間から見える玄関を出た前庭に。
 仮の墓標として、息子が小学校の低学年の頃に作った粘土細工を立てておいた
のですが、息子から
「俺の新幹線……」とLINEで返信がありました。
「新幹線なら、“ひかり”だわ」と私が返したら、
「完璧な墓標だった」ということで、ひかりの正式な墓標にしました。

ひかりの食堂 ひかりのトイレ

 ひかりが死んで、もう誰も食べることがなくなった食器と、最期にひかりが力を
振り絞っておしっこをしに行ったトイレ。
 いつまでも片付けられずにいます。10日以上たった8/24に食器は片付けました
が、トイレとよく飲んでいた水はまだそのままです。もちろん水は替えて。

ひかりのお墓(R2.8.21)

 それにしても、わが家ではルナが18年、二代目のミーコの19年に次いで、
ほぼ満19年と長生きしたフサとひかりの二匹が、まさか同じ日の朝と夕方に
亡くなるとは!
 生物の生き死にには、潮の満ち引きが関係していると聞きます。
 この日は、ペルセウス座の流星群が極大を迎えていました。関係あるので
しょうか。関係あるとしておきましょう。
 時あたかも盂蘭盆会です。猫をこよなく愛した亡父が家に帰ってきていて、
二匹を迎えに来たのかもしれません。たぶんそうなのでしょう。

在りし日のひかり(R2.7.20)息子のベッドで

ひかりちゃん、そしてフサちゃん、
西向の山の猫みんな、どうか安らかにお眠りください。
―合掌―



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