講座コード: 04120033(公式ガイド)
受講申込開始日 ・会員受付 2月12日(木)〜 ・一般受付 2月14日(土)〜
〔講座趣旨〕
2006年(平成18年)度NHK大河ドラマ・スペシャルでは司馬遼太郎の代表作『坂の上の雲』が放送予定。この歴史小説は言うまでもなく、明治時代という近代日本の青春を描く国民文学であり、軍人の秋山好古・真之兄弟と文学者の夏目漱石・正岡子規の人生を追って描かれる。
本講座ではその『坂の上の雲』に並行して、同時代の近代詩を初期讃美歌を冒頭に小学唱歌、新体詩、軍歌と詩史の展開をたどり、時代の詩歌を解読鑑賞し、そこに改めて近代明冶の人と時代を再発見する。
〔講義概要〕
第1講 2004/04/09
−文明開化の歌声・横浜から始る−
キリスト教解禁と明治初の降誕祭(明6)/いま遣る初期賛美歌集『教へのうた』から『あまつましみず』(賛美歌88番)と松本きい子/詩の誕生とキリスト教
第2講 2004/04/23
−音楽事始め・小学唱歌報告会−
唱歌というスクールソングはいかにして成立したか/伊沢修二と音楽取調掛/音楽取調掛の成績発表会(1882年1月30日)
第3講 2004/05/07
−「小学唱歌集」フィールドワーク−
上野公園・西郷銅像前13時出発→清水堂秋色句碑(桜の話)→上野図書館前・小泉八雲記念碑→芸大音楽学部・伊沢修二胸像と紀元節歌碑→寛永寺三浦環歌碑→桃林堂前→谷中→日暮里駅15時解散
注:雨天の場合は教室で第4講、フィールドワークは次回5/21に行う(小雨決行)
第4講 2004/05/21
−「小学唱歌」から新体詩へ−
新文学「新体詩抄」イギリス武勲詩の紹介/最初の武勲詩「抜刀隊」「戦景大和魂」から明治軍歌への道
第5講 2004/06/04
−鹿鳴館舞踏歌と「抜刀隊」−
鹿鳴館と陸海軍軍楽隊の演奏/ピエル・ロチの『江戸の舞踏会』と芥川龍之介の『舞踏会』/フランス人軍楽隊長ルルー着任(1889年 明22)/外山正一詩「抜刀隊」の作曲演奏/日本最初の行進曲の出現とその背景
第6講 2004/06/18
−少年立志と故郷の歌−
少年たちはなぜ離郷したのか/宮崎湖処子の「出郷関」に見る時代「埴生の宿」「故郷の空」に見る懐郷歌
第7講 2004/07/02
−「君が代」の国歌確定まで−
最初の「君が代」とフェント/『小学唱歌集」のウエーブの「君が代」/歌詞をめぐる解釈/1880年(明13)新曲選定をめぐる海軍省と文部省の対立/海軍軍楽隊長ドイツ人エッケルトの編曲まで/「保育唱歌」ラッパ曲にもあった別曲の「君が代」後期に備えての解説
第8講 2004/10/01
−『新撰賛美歌』と訳詞集『於母影』−
開化思想としてのキリスト教の教学への普及/訳詩から生まれた新しい音数律「ミニヨンの歌」/北村透谷の「女性雑誌・文学界」の新風/島崎藤村の「若菜集」刊行まで
第9講 2004/10/15
−1894・95年の対外戦争と軍歌−
与謝野鉄幹の訳詩集「東西南北」/1894・95年の対外戦争と軍歌/「勇敢なる水兵」「雪の進軍」「婦人従軍歌」/勝利の後に悲哀の詩「凱旋門」の鉄幹
第10講 2004/10/29
−明治浪漫詩の時代−
田山花袋・国木田独歩の造語「抒情詩」/「若菜集」の叙情と土井晩翠「天地有情」/唱歌「荒城の月」「箱根人里」「花」今も歌い継がれる名曲
第11講 2004/11/12
−文明開化の歌声・横浜から始る−
唱歌作詞家大和田健樹と「鉄道唱歌」国文学者から唱歌/作詞家への大和田健樹「明治唱歌集」の「あはれ少女」/大和田健樹と佐々木信鋼の物語詩
第12講 2004/11/26
−1904・05年の対外戦争と軍歌−
永井建子の「雪の進軍」に見る軍歌の主調・以下、「戦友」「橘中佐」「広瀬中佐」「水師営の会見」へ/軍歌の行方「歩兵の本領」と「対匪行」/森鴎外の詩「釦口」と乃木希典の漢詩
第13講 2004/12/03
−明治という時代終了−
上田敏の訳詩集「海潮音」とその影響/近代詩の冒険者/北原白秋と蒲原有明/石川啄木詩「飛行機」による時代の終焉/明治近代詩歌への考察と評価
〔参考書〕
『日本唱歌集』(岩波文庫)
−以上「明治大学リバティ・アカデミー総合案内(2004年・前期)」より転載−
*お問い合わせ・申し込みは明治大学リバティ・アカデミー公式WEBサイト〕へ