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小川ゼミ通信2003 令和2(2020)年〜令和6(2024)年


令和6年4月5日(金)  5/11(土)風信子ハウス見学&小川ゼミOB会開催!

 
「小川ゼミ通信」Vol.49
 
 ようやくソメイヨシノも開花しましたね。春の嵐が吹き荒れたり、急に暑くなったり、花冷えの雨の日が続いたりと、天候不順の日々ですが、その後お変わりありませんか。
 さて、一月の末に提案した通り、小川先生のメインテーマであった立原道造が設計した風信子荘〈ヒヤシンスハウス〉を再現した小屋を見学しながら、先生歿後10年の集いの計画を練るために集まります。
 立原道造だけに「爽やかな五月に」
 
日程:5月11日(土)
集合:午後1時
場所:JR埼京線・中浦和駅(東口・プラザホテル浦和側の改札口付近)
予定:徒歩で別所沼公園へ
・立原道造の風信子ハウス
・神保光太郎「冬日断章」詩碑
などを見学&公園散策
のちファミリーレストラン等で飲食しながら、先生歿後10年の集いの計画を協議します。
 
◇ヒヤシンスハウスはこんな所です。(私のHPより)
http://nishimukou.my.coocan.jp/sanpo/mititati_hyacinthus.htm
 
◇公式サイト〈詩人の夢の継承事業 「ヒアシンスハウス」〉
http://www.haus-hyazinth.org/
 
◇テレビ東京「新美の巨人たち」で放送
『立原道造「ヒアシンスハウス」×内田有紀』
https://artexhibition.jp/topics/news/20240123-AEJ1822732/
https://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/index.html?trgt=20240127
 
☆引き続き、「小川和佑ゼミOB会」のLINEグループへの加入をお願いします。
 
小川和佑ゼミナールOB会事務局:西山正義
「小川ゼミの部屋」http://nishimukou.my.coocan.jp/ogawazemi.htm
 



令和6年1月30日(火)  LINEに「友だち」追加お願いします!

 
「小川ゼミ通信」Vol.48
 
 昨夜、三年ぶりにメールしました。今年は先生歿後十年ですから、とにかく集まりましょう。
 その前段階として、先生が得意とした立原道造の風信子荘〈ヒヤシンスハウス〉を見に行きがてら、OB会の企画を練りましょうという話です。
 
 どこからそういう話が出て来たかというと、実は2021年10月に小川ゼミのLINEグループができて、その中でのやり取りからです。少しずつ人数が増え、現在13名登録されています。
 メールより圧倒的に手軽で便利ですので、LINEをやっている方は、アカウントを教えてください。あるいは、以下の方法で私を「友だち」追加してください。グループに招待します。
 他愛ないことや写真をアップしたり、近況や情報交換の場にしていますので、ぜひご参加ください!
 
Subject: LINEで一緒に話そう!
西山正義から、コミュニケーションアプリ「LINE」への招待が届いています。
友だちや家族と音声・ビデオ通話やグループトーク、スタンプ、ゲームなどをお楽しみください!
ダウンロードはこちら:https://line.me/D
西山正義を友だちに追加するには、下記のリンクにアクセスするか、添付のQRコードをスキャンしてください。(※HP上では非公開)
 
小川和佑ゼミナールOB会事務局:西山正義
「小川ゼミの部屋」http://nishimukou.my.coocan.jp/ogawazemi.htm
 


令和6年1月29日(月)  今年は集まりましょう!(立原道造の風信子荘を観に行きませんか)

 
「小川ゼミ通信」Vol.47
 
 寒中お見舞い申し上げます。
 令和六年は元日から能登半島の地震で大変な幕開けとなりましたが、みなさん如何お過ごしでしょうか。私は家族ともども変わらず元気です。
 さて、本年は、われらが恩師・小川和佑先生が永眠されて十年の年になります。コロナも5類に移行しましたので、今年こそはOB会で集まりたいと思います。
 
 と思っていたところへ、一昨日の夜、五十嵐正人さんから小川ゼミのグループLINEに、立原道造が設計した風信子荘〈ヒヤシンスハウス〉を再現した小屋を取り上げたテレビ番組が紹介されました。
 
◎テレビ東京で、1月27日(土) 22:00〜22:30に放送されたものですが、再放送もあります。
◎番組名:新美の巨人たち 立原道造「ヒアシンスハウス」×内田有紀
再放送:2月3日(土) 23:30〜深0:00
https://artexhibition.jp/topics/news/20240123-AEJ1822732/
 
 私も(皆も)見逃したので、再放送を観ましょう、ということになったのですが、それならいっそうのこと現物を見に行きませんか、ということに話が盛り上がってきました。
 小川先生が愛した立原道造をダシに皆で一度集まり、そして、九月二十日のご命日に向けて、追悼の集まりを企画しましょうということになりました。
 
 まだ話だけで、何も決まっていません。ご意見・ご希望をお寄せください。
 日程の候補としては、立原道造だけに、やはり「爽やかな五月に」ということで、ゴールデンウィークあたりでしょうかね。
 
 私は17年前に行ったことがあり、ホームページで報告しています。こんな所です。
(埼玉県さいたま市南区の別所沼公園内)
http://nishimukou.my.coocan.jp/sanpo/mititati_hyacinthus.htm
 


令和3年4月6日(火)  Re: ◇小川和佑先生トークのラジオ再放送!

 
「小川ゼミ通信」Vol.46
 
みなさん、昨夜の放送お聞きになりましたでしょうか。
深夜なので聞き逃した方も多いと思います。
NHKのインターネット・ラジオ「らじる★らじる」では聞き逃しサービスで
4月13日(火)午前1時まで視聴することができます。 https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=0324_01
 
番組の最後に、
「小川さんは2014年に84歳でお亡くなりになりましたが、小川さんの桜を愛する心は、大学のゼミの教え子たちに受け継がれているということです」
というアンカーの松井治伸アナウンサーの言葉に胸が熱くなりました。
 
NHKからの情報では、もとの放送は2013年4月13日(日曜ではなく土曜)に放送とお伝えしましたが、 どうもその前週、4月7日(日)午後11時5分〜(ラジオ第一)、翌午前0時5分〜(FM)の放送だったようです。
(ラジオ深夜便の「ミッドナイトトーク」のコーナー)
つまり、小川先生と最後の花見をした翌日の深夜。
 
ソメイヨシノはおおかた散り、すっかり葉桜のところもありますが、桜はまだまだ楽しめます。
コロナ禍ですが、春を楽しみましょう! 桜を愛でましょう!
 


令和3年3月16日(火)  ◇小川和佑先生トークのラジオが再放送!

 
◇小川和佑先生のNHKラジオでのお話し、「泰平の世を桜花に願う」が再放送されます!
 
「小川ゼミ通信」Vol.45
小川和佑ゼミナールOB、OGの皆様へ
 
 みなさん、お元気ですか。春ですよ。
 コロナに翻弄される人の世においても、やはり桜は咲きますね。
 3月11日(東日本大震災から満10年の日)に広島で、翌日には福岡で、14日には東京で桜(ソメイヨシノ)の開花が発表されました。各地で観測史上最も早い開花を更新しているとか。
 
 そうです、桜といえば、もちろん小川先生です。
 平成25年(2013)4月6日の土曜日、14年ぶりに四ツ谷でお花見会を開きました。この年も開花が早く、ソメイヨシノは散っていたのですが、紀尾井町通りの八重桜はちょうど満開でした。
 これが和佑先生とご一緒した最後のお花見になったのですが、その翌週の4月13日(日)、NHKラジオで、「泰平の世を桜花に願う」が放送されたのでした。
 それが、このコロナ禍のなか、まさに「泰平の世を願い」再放送されます。
 
☆4月5日(月)深夜25時台=4月6日(火)午前1時台
「深夜便アーカイブス」のコーナーで再放送
NHKラジオ第一放送(NHK-FMでも)
ほか、インターネットの「NHKらじる★らじる」や「radiko(ラジコ)」でも視聴可
(むしろこちらの方が電波状況に左右されないで視聴できます)
 
〇番組ホームページの放送予定には、3月26日(金)の夕方ころに掲載予定
https://www4.nhk.or.jp/shinyabin/
(放送後一週間は、聞き逃しサービスもあります)
 
 以前は必死になって「エア・チェック」(死語?)しましたが、今は聴くチャンスが広がりました。
 ぜひ、お聞き逃しなく。あの懐かしいお声を再び!
 
 昨年、コロナで休業中に、「小川和佑先生と歩いた軽井沢文学散歩アルバム」の「信濃追分編」全9ページを完成させました。併せてご笑覧を。
http://nishimukou.my.coocan.jp/sanpo/shinano_oiwake01.htm
 

 
 この電子メールによる「小川ゼミ通信」は、平成12年(2000)3月13日午前3時19分に、その記念すべき「Vol.1」を配信しました。先生が70歳になられる年で、明大の「最終講義」を計画しはじめていた頃でした。
 それから18年、平成30年(2018)9月20日に配信した「小川和佑先生五回忌の命日に」で「Vol.41」を数えました。
 その後、メールでは配信しませんでしたが、昨年(令和2年に)「短説ブログ」やこのホームページに掲載した三回分、
・9月13日の「小川和佑先生の七回忌のご命日を控えて(附:『小川のせせらぎ』第2号〈編集後記〉」を「Vol.42」、
・9月20日の「七回忌のご命日に」を「Vol.43」、
・9月26日の「七回忌のご命日を過ぎて」を「Vol.44」とカウントし、
今回の配信を「Vol.45」と銘打ちました。
 


令和2年9月26日(土)  小川和佑先生七回忌のご命日を過ぎて

 
 小川和佑先生の七回忌のご命日も過ぎました。当日、奥様から法要が無事済んだというご連絡をいただきました。
 その9月20日前後、先に制作した小川和佑ゼミナールOB会誌『小川のせせらぎ』第2号に掲載した「小川和佑先生著書目録」第二回に続くべく第三回用の原稿を、いくつかすでに同ブログにアップ開始しました。
 それで、『近代日本の宗教と文学者』を読み返したのですが、これは元はNHKラジオの放送であるので、その放送を録音したカセットテープのアナログ音源をデジタル化しようと思い立ちました。いやもっと以前にやろうと思っていたのですが、先生がお亡くなりになって、生のお声を聴くのが辛くてなかなかできなかったのです。
 これはNHKラジオ第二放送の「NHK文化セミナー」のシリーズで放送されたラジオ講座で、平成7年(1995)年の2月5日から2月26日までの毎週日曜日の午後20時から一時間、全四回放送されたました。
 
『近代日本の宗教と文学者』(1995年)
第一回(2月05日):明治キリスト教徒文学者
第二回(2月12日):漂流する神を求めて
第三回(2月19日):信仰と革命の思想
第四回(2月26日):美しい日本に詩と真実を求めて
 
 NHKだから当然CMはなく、時報に続いてすぐに、テーマソングに乗せてアナウンサーによるごく簡単な番組と講師の紹介があり、終りも同様。その時間が前後一分程度で、途中に休憩もないので、講義は正味58分あります。
 もちろん生放送ではなく、1月12日から毎週木曜日に南青山のNHK放送センターで収録されたよし。
 今にして思えば、この放送時期です。すなわち、阪神淡路大震災の直後から、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起こる直前までの、間ということになります。近代日本の宗教や神の問題を考えるには、あまりにもタイムリーだったと言わねばならないでしょう。
 個人的には、放送のちょうど中間の2月15日に、私たち夫婦の第二子である長男が生まれています。
 まあそれはそれとして、当時先生は65歳で、まだまだ若々しいお声で、ほとんどよどみなくマイクの前で講義されています。実にうまいというほかありません。多少のアドリブも入っているようですが、そのまま本にしてもいいような完全な原稿を用意して講義しているので、事実、その放送原稿をほぼそのまま活かして加筆されて単行本になっています。
 それが、翌年出た『近代日本の宗教と文学者』(平成8年2月・経林書房刊)です。私などが言うのもなんですが、見事な論評です。放送をダビングするのに聞きながら本を読んでいると、さらになるほどと思います。そしていろいろな思いに駆られます。
 
 そして、本書に導かれ、
・ラフカディオ・ハーンの『Kwaidan』(すなわち小泉八雲の『怪談』――岩波文庫版は息子に京都に持っていかれたので、新たに文字の大きくなった新潮文庫版を数日前に購入)
・和辻哲郎の懐かしい古典的名著『古寺巡礼』(岩波文庫)
・亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』(これも文字が大きくなった新潮文庫の新版を昨日買い直しました)
・堀辰雄の『大和路・信濃路』(文字の小さい昔の新潮文庫)
 
 をここ数日読み直しています。この時生まれた息子がもう25になり、現在、京都に在住です。仏像や仏閣を観たくなりました。
 


令和2年9月20日(日)  小川和佑先生七回忌のご命日に

 
 本日は、われらが恩師、小川和佑先生の七回忌のご命日です。
 今年はコロナでお墓参りにも行けませんので、きょうの命日に向けて、前の記事の通り、小川和佑ゼミナールOB会誌として『小川のせせらぎ』と題する冊子の第2号を編集・制作し、OB,OGなどに配付しました。
 すかさずさまざまな反響があり、メールや手紙、ハガキ、ブログのコメント欄などでやり取りをしました。先週の金曜日(9/11)の午前中に新宿のコピー屋で印刷・製本し、家に飛んで帰り、すぐに封入し、金曜日の夕方便で発送しました。早いところでは翌日の土曜日に着いたようで、以後、この一週間、ずっとみなさんから送られて来た反響に応えていた日々が続いていました。
 個別にはさまざまな内容が含まれていますので、ここでは繰り返しませんが、それが何よりも楽しかったです。小川先生、みなさん、ありがとうございます。
 きょうからまた普段の日常が始まります。その前に連休ですが、地元のソフトボールの秋季大会、きょうが初戦です。何かホームランでもかっ飛ばせそうな気分です。
 繰り返しますが、小川先生の法要は、教え子のみならず、親戚や東京に住んでいる親族も集めずに、奥様お一人で執り行うということです。もちろんコロナのせいです。
 宇都宮に向いて合掌いたします。
 


令和2年9月13日(日)  小川和佑先生七回忌のご命日を控えて

 
 本日昼頃、私が編集した小川和佑ゼミナールOB会誌『小川のせせらぎ』の第2号が、亡き先生の奥様である小川節子様に無地届けられました。
 OB、OGのみなさんへは、一日早い9月11日金曜日に「ゆうメール」で発送しました。速達扱いではありませんが、早いところでは翌日の12日に届いたようです。
 先生の七回忌の一週間前に間に合いました。昨日あたりも九州地方は大雨だそうで、心配であります。
 先生の七回忌の法要は、親戚なども集めずに、奥様一人で執り行うとのことです。もちろん新型コロナウイルスの影響で。
 奥様へもみなさんへも届いたようですので、インターネット上でも告知します。以下に「編集後記」を転載します。
 もしまだ届いていない方や、最近音信不通になっている方は西山までご連絡ください。限定50部の手作り冊子で、必要部数しか制作していませんので、少しお待ちいただくことになりますが……。
 


 
『小川のせせらぎ』第2号 〈編集後記〉


   小川和佑先生七回忌
 
 この九月二十日で、小川和佑先生が他界されて満六年になります。すなわち、仏教でいうところの七回忌にあたり、日本の多くの家庭で追善供養の法要が行われるのが慣例になっています。
 ところが今年は、ご周知のとおり新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行し、高温多湿の季節になっても依然収まらず、現在も第二波といえるような猛威が広がっています。
 それで、小川家としても、七回忌に人を集めないことになりました。せめてお墓参りだけでもと思いますが、県外から宇都宮へ行くのは、今はまだ差し控えた方がよいでしょう。
 本当は、この冊子を御命日に墓前にお持ちしたいと思っていました。そしてOB会で集まり、みなさんにお渡ししたいと。しかしそれも今は難しいので郵送することにしました。
 
   第2号について
 
 今回も力まかせで作りました。第1号ではそうしたように、雑誌や新聞の初出や書籍の形で見てもらいたいという思いもありますが、月報をそのまま拡大コピーした『「地球」への回想』以外は、一語一語手打ちで入力しました。
 巻頭の『わが一九四五年』は、当初は抜粋のつもりが、ほぼ全文丸々写すことになりました。社会思想社の現代教養文庫の『青春の記録』三巻は、まったく特異なアンソロジーで、私が学生の頃はまだ新刊本の書店にも並んでいましたが、小川ゼミの中でも手に取ったことがある人はごくわずかのようです。今年は敗戦から七十五年の年。今、改めて読んでもらいたい一書です。現在では入手困難なゆえ、ここに打ち出しました。可能なら実際の本を手に取り、収録作品も読んでほしいです。
 
   小川ゼミOB会の運営について
 
 さて、みなさんにご相談というか、確認したいことがあります。
 私たちがここに「小川和佑ゼミナールOB会」と名乗っている会は、一応会則もありますが、もう長いこと組織的な「会」としての体裁を成していません。
 このOB会は、私が卒業した昭和六三年九月から準備され、翌平成元年七月に発足しました。そして、平成一三年(二〇〇一)一月に先生の「最終講義」を開催し、以後も、ゼミ合宿(というより、もはや学生がいないのでOB会合宿)や出版記念会などを開催してきました。
 平成二一年と二二年の最後二回の合宿や、最後の花見(平成二五年)は何人かで協力し合って企画しましたが、事務局の運営を組織的に行っていたのは最終講義の頃までです。
 その事務局は、発足当時から現在に至るまで、一貫して私が一手に引き受けています。それはやりたくてやっていることなので別にいいのですが、何が言いたいのかというと、今回この冊子を送るにしても、本当に送っていいものかどうか迷う人もいるということです。会員を明確に組織化できていないので。
 この会はOB会といいながらも、学校の同窓会とは性質が異なります。その学校を卒業していれば、本人の意思にかかわらず、たとえ消息不明でもその名簿から名前が削除されることはありません。しかしこの会は好きな者が集まっているだけです。
 ところが、その「好きな者」なのかどうか、よく分からない人もいるということです。この三十年の間に、次第に郵送物が届かなくなって、消息不明になってしまった人が数多くいます。一人ひとりこのOB会に〈オルグ〉してきた私としては、今でも皆の顔が思い浮かびます。一度でも合宿などに参加したことがある人は、ひと回り以上したの学年までみな覚えています。だから愛着もあるのですが、連絡先が分からなくなってしまってはどう仕様もありません。
 一方で、それは私の片思いで、学生時代に聞いた住所が実家だったり、その後一度も転居していないという理由だけで、今でも郵送物が届いているということもあるのではないか。
 合宿や花見を毎年のように開いていた頃は、しかもその案内を主に郵便で行っていたので、転居しても一年以内なら転送されて連絡がつくこともありましたが、間遠になると……。いや、去る者は去るで仕方ないのですが、意図せずにということもあるのではないか。
 何か矛盾することを言っているようですが、大学卒業以来、三十年以上みなさんに連絡を取り続けている私としては、どこかモヤモヤする気持ちがあるのです。要は、OB会の〈総会〉を開き、〈名簿〉を作る必要があるのですが、それがずっと出来ていないのが原因です。
 ですので、今回この冊子を送るのも、もはやゼミOB会としてというより、西山個人が知っている人に送るというのが実情です。
 何十年も付き合いが切れていたのに、ある日突然復活した例もあります。一般的な例ではなく、この会で実際に何度もあった話です。だから、住所が分かっている人には、私は今回も送り続けます。この声が届かない人には、何とかホームページに辿り着いてくれることを願います。
 われらが恩師和佑先生の「お師匠さん」である中村真一郎の『死の遍歴』という小説に、「仲間の解散は青春の終りを象徴する」という一節があります。そうしたことは遅くとも三十前後には訪れ、そうして人は否応なしに〈大人〉になっていくのですが、私はどうしてもそれが耐えられないようです。……小川先生、そしてみなさん!
              ――令和二年九月九日午前三時(西山正義)
  



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