いま問う 三島由紀夫の文学と思想
4月18日〜12月5日/金曜日(13:00〜14:30)
全13回/一般受講料:32,500円
講座コード: 08120040
【講座趣旨】
三島由紀夫の衝撃的自決より38年。いま、その文学と思想は改めて再評価されようとしている。昭和文学の巨星三島由紀夫とは?に応えて、その文学の軌跡を少年詩の出発からライフワーク『豊饒の海』4部作までの主要な作品を対象に鑑賞し、作家の全貌を明らかにする。
【受講をお薦めする方】
広く学生から一般社会人まで文学部日本文学専攻の講義水準で。
【講義概要】
第1講 2008/04/18
講義内容の説明(ガイダンス)/13歳の小説「酸模」について。
なぜいま三島由紀夫か。自決の衝撃の目撃者として。三島由紀夫(平岡公威)の生育の環境について。
第2講 2008/05/02
学習院時代の詩の形成(昭15・1940)
少年詩(13歳〜18歳)の世界。なにが詩を書かせたか。秀作詩の批評と解説。
第3講 2008/05/16
『花ざかりの森』(昭19・1944)
「花ざかりの森」初出(昭16・1941.9)と「文芸文化」。花と血の耽美。遅れて公刊された遺書。戦後への出発。思想的屈身。
第4講 2008/06/06
『仮面の告白』三島文学の確立(昭24・1949)
川端康成との出会いと初期作品。『仮面の告白』の戦後文学の中での位相。
第5講 2008/06/20
青春小説『潮騒』(昭29・1954)
流行作家三島由紀夫の文学試行。作品の舞台。『潮騒』の構想とテーマ。映画化(昭44・1969)をめぐって。
第6講 2008/07/04
『沈める滝』(昭30・1955)
唯一の私小説「詩を書く少年」(昭29・1954)。近代小説の伝統への挑戦『沈める滝』。描かれた石と鉄の思想。
第7講 2008/07/18
『金閣寺』(昭31・1956)
新聞記事がモチーフ。小説『金閣寺』の訴えるもの。三島文学の第一の到達点として。水上勉『五番町夕霧楼』との比較。
第8講 2008/09/19
『鹿鳴館』(昭32・1957)
劇作家三島由紀夫。文学座をめぐる劇作。『近代能楽集』と中村真一郎の『夢の両側』。『癩王のテラス』から『鹿鳴館』へ。『鹿鳴館』はなにを描いたか。
第9講 2008/10/03
『憂国』(昭36・1961)
安保闘争と時代の転換。三島由紀夫の危機意識。映画『憂国』(昭40・1965)の影響。『英霊の声』(昭41・1966)からの発信。
第10講 2008/10/17
三島文学と映画(1)
映画『からっ風野郎』(昭35・1960)『剣』の映画化と『午後の曳航』。1963〜64の行動する思想家三島由紀夫。『文化防衛論』(昭43・1968)全共闘の渦中に。
第11講 2008/11/07
三島文学と映画(2)
五社英雄の映画『人斬り』(昭44・1969)演戯者としての三島由紀夫。原作映画化29本内、『潮騒』5回、『金閣寺』2回、『鹿鳴館』(昭61・1986)没後16年に市川昆で。多数の映画化は何を物語るか。
第12講 2008/11/21
『豊饒の海』4部作(昭40・1965〜昭45・1970)
輪廻転生をテーマになにを遺志したか。『春の雪』(昭40・1965)はジャン・コクトオの映画『双頭の鷲』(昭28・1965)にモチーフがある。『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』へ。
第13講 2008/12/05
三島由紀夫自決(昭45・1970‐11.25)
楯の会結成(昭43・1968)。自決までの2時間30分。自決直後の反響。その死と現代。なぜに対する私見。
*教材はプリント等を使用
−以上「明治大学リバティアカデミー総合案内」より転載−
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