花とことばの文化誌
4月17日〜12月4日/金曜日(13:00〜14:30)
全12回/一般受講料:32,000円
講座コード: 09120044
【講座趣旨】
私たちは遠い古代から21世紀の今日まで花とともに生きて来た。『万葉集』の166種の植物はいまも私たちの周辺にある。しかし、現代の私たちの生活は年ごとに花々から遠ざかっている。私たちの日常は自然から乖離することで、ことばはかつての花々を忘れた。そこに日本語の荒廃が始まった。私たちのことばの回復は花を知り、花を通して可能であろう。講義は花とことばによって美しい日本語の復権を計りたい。
【受講をお薦めする方】
広く学生から一般社会人まで。大学文学部の日本文学専攻の水準で。
【講義概要】
第1講 2009/04/17
講義内容の説明(ガイダンス)
講義の主題と年間計画。『万葉集』の花について。春秋2回の神田フィールドワーク目的と方法について。
第2講 2009/05/01
春のフィールドワーク(1) 神田の坂と文学
アカデミーコモン1階集合・13:00出発→淡路坂、一口稲荷、万世橋、柳原福寿神、和泉橋、観音坂、富士見坂、錦華坂(テキスト『神田ルネッサンス』83号)
第3講 2009/05/15
花と暮らす日本人
日本の原風景(花と詩人)年中行事と花(若菜、桃の花、菖蒲、七夕)星祭の由来。
第4講 2009/06/05
菊に因むエピソード
菊酒・菊枕。後鳥羽院と菊。紫陽花と三島由紀夫。金井直の詩「あじさい」。秋の七草。花と和菓子。
第5講 2009/06/19
花と意匠・花と唱歌
花の衣装(花襲から友染へ)生活に広がる花々。「小学唱歌集」と花の歌。「蛍の光」考。教養としての「歌学」。
第6講 2009/07/03
古典に学ぶ
歌曲「さくらさくら」を聴く。花の唱歌。古典に学ぶ。新しき歌声。季節の花々。大正童謡と花。前期のまとめ。
第7講 2009/09/18
後期ガイダンス 古典でたどる桜観
滝廉太郎の「花」。花見歌の始まり(咲くやこの花)桜な女身。桜と都の由来。都の花への郷愁と憧れ。
第8講 2009/10/02
秋のフィールドワーク(2) 明治の面影を歩く
※10/2雨天のため、教室で講義。順次繰り上げ、フィールドワークは11/6に延期
さいかち坂。三崎町、神保町、開花の文教地区。開成所跡の如水会館、博報堂、物理学校跡、神田下水道。
第9講 2009/10/23
聖地吉野山
天武帝の聖地。「万葉集」の吉野歌。西行と吉野。吉野信仰。ことばの力。古典和歌と花々と。
第10講 2009/11/06
現代文学と花(1)
伊東静雄の花。ことばの魅力。三好達治の花々。花に寄せて。
第11講 2009/11/20
現代文学と花(2)
中原中也と花。立原道造と信濃の花々。アカシアと石川啄木。辻井喬と花々(「故なくかなし」)を読む。現代文学は花を描かない。
第12講 2009/12/04
沙羅の花・薔薇の花
芥川龍之介と佐藤春夫。再び桜の文学。時代小説の花。講義の結びと明年度のテーマについて。
●教材:
小川和佑著『花とことばの文化誌』(アーツアンドクラフツ刊)1,575円(税込み定価)
(※各自ご購入ください)
●その他:
フィールドワークの交通費等は別途実費になります。
前・後期通して8割以上出席者には履修証書を授与されます。
●後期追加募集:
後期(講座コード:09220035)からの受講も可能です。
(後期のみの受講料は16,000円。新規入会の場合は別途入会金3,000円)
申込みは8月24日から。
−以上「明治大学リバティアカデミー総合案内」より転載−
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